別名「桜肉」とも言われる馬肉は、低カロリー、低脂肪、低コレステロール、低飽和脂肪酸とヘルシーな上に、鉄分、カルシウム、ビタミンAやEも豊富に含まれています。そんな馬肉の産地は熊本が有名ですが、他にはどんな産地があるのでしょうか?国内生産量、輸入事情に迫りました。
馬肉の国内生産量
平成27年度の農林水産省の調査によると、昭和50年の馬肉の国内生産量は5,283トン、そこから3,000~5,000トンで推移し、平成7年には8,433トンまで上昇しましたが、その後減少。ここ数年間は5,000トン前後となっています。
世界の馬の品種は100種類以上ありますが、日本では重種馬と軽種馬が馬肉として流通しています。それぞれ味が異なるため、地方によって生産される品種が異なります。
重種馬
大型で出荷時の重量が800キロ~1トンにもなる品種です。 おもな品種として、ペルシュロン、ブルトン、ベルジャンの3種があるほか、これらの品種を掛け合わせたペルブルジャンという交配種が最高と言われています。サシのおいしさを追求して生産され、熊本県の馬刺しとして高いシェアを占めています。
軽種馬
出荷される段階で600キロ前後と、重種馬に比べて小柄です。おもな品種としてサラブレッド、アラブの2種があり、福島・会津地方では赤身のおいしさを追求した軽種馬が生産されています。
生産県1位はやっぱり熊本!
平成27年度の農林水産省の調査では、馬肉の生産量1位は熊本県(2,316トン)で、2位の福島県(1,107トン)を大きく引き離すだけでなく消費量も1位となっています。3位:青森県(529トン)、4位:福岡県(385トン)、5位:山梨県(263トン)と続き、日本全体の生産量は5,113トンです。
ヘルシー志向に人気の馬刺し
近年、脂肪分が少なく健康的でヘルシーなお肉として馬肉の人気が高まっています。牛、豚肉に比べてタンパク質は2倍以上なのにカロリーはおよそ半分、そして何よりも美味しいことが人気を博しています。
栄養分も豊富で、鉄分や亜鉛などのミネラル、アミノ酸、グリコーゲン、カルシウム、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12と豊富。ダイエットの大敵である脂肪も、馬肉には体内に蓄積しにくいリノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれているので、霜降り肉も気兼ねなく食べることができます。
このヘルシーさを見逃すことはできません!馬肉を扱う飲食店では「馬肉女子会」を実施。日頃から美容やダイエットを気にする女性を取り込み、美味しさとヘルシーさをアピールしています。
国内自給率は42%。馬肉の輸入事情は?
熊本県の馬肉店が東京に進出する、お取り寄せできるようになる、ヘルシーさが認められるなど、様々な理由により、これまで馬肉に馴染みがなかった人や地域でも、馬肉が食べられるようになってきました。自給率は約40%であるものの、国内生産量は減少傾向にあるため、海外からの輸入によって需要を満たしています。
おもな馬肉輸入国
平成28年の資料によると、日本の馬肉輸入国ランキングは以下のとおりとなっています。
1位:カナダ(3,020トン)
2位:メキシコ(729トン)
3位:アルゼンチン(554トン)
4位:ポーランド(550トン)
5位:中国(17トン)
6位:ウルグアイ(15トン)
7位:ベルギー(4トン)
8位:イタリア(2トン)
合計:5,017トン
※2015年度実績
「馬刺しの達人」では、国産馬刺しのほか、カナダ産、アルゼンチン産、ポーランド産の馬刺しを取り扱っています。
2008年の産地偽装事件
2008年10月30日から31日にかけて、カナダ産の馬肉が熊本産と偽って販売されていたことが報道されました。
熊本県内の食肉卸売業者「三協畜産」は仕入れたカナダ産馬肉の原産地を表示せずに大阪の食品卸売業「ショクリュー」に販売、JAS法で義務付けられている産地表示がなかったにもかかわらず、ショクリューは確認や表示を怠ったまま佐賀県の食品卸売り販売「ヤマフ」に納品、ヤマフは「熊本産」馬刺と偽って2007年から2008年9月までに約164キロを販売したということです。
農水省はカナダ産の馬刺しを熊本産と表示・販売したなどとして、ヤマフとショクリューに対し、日本農林規格(JAS)法に基づく改善指示を行うとともにJAS法を改正、「輸入した畜産動物は3ヶ月以上日本で育てれば国産表示ができる」から、「最も飼養期間の長い場所を原産地として表示すること」に変更されました。
「熊本県産馬刺し」と「熊本馬刺しの違い」
「熊本県産馬刺し」と「熊本馬刺し」という2種類の表示があるのはご存知でしょうか? 分かりやすく言えば、これらの違いは出生地の違いです。熊本で生まれ、熊本で育って出荷される「生粋の肥後もっこす」が「熊本県産馬刺し」であり、他の土地で生まれたのちに、熊本に転入し、そこで4か月以上育ったのちに出荷されるものが「熊本馬刺し」です。
純粋な熊本産の馬は飼育数が少なく、供給が追い付きません。そのためカナダや北海道から馬を連れてきて一定期間、熊本で飼育して「熊本馬刺し」として出荷しています。よい餌を与えて徹底した管理を行っていますので、熊本県産馬刺しに劣ることのない品質が保たれています。
馬肉の産地ごとの特徴
国産と輸入量1位のカナダ、2位のメキシコの馬肉を比較してみました。
特徴も風味も産地それぞれ。食べ比べてみるのもまたいいかもしれませんね。
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国産
熊本県産の重種馬は秘伝の配合飼料を与え、1年半以上かけて1トン近くまで成長させて出荷します。美しい霜降りが特徴で、柔らかな食感と濃厚な甘みが特徴です。福島県・会津地方などで生産される軽種馬は、柔らかく淡泊な味わいが特徴で赤みが好まれています。
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カナダ産
カナダ連邦政府認定のBouvry社の馬肉が輸出されることが多く、高品質でよい鮮度が保たれています。国産馬刺しと同じ種類の馬を使用して飼育され、脂乗りがよく国産馬刺しに劣らない味が楽しめます。
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メキシコ産
牛肉の価格高騰から安価な馬肉の需要が拡大、それによって馬の解体処理業者が増えたことにより日本への輸出量も多くなっています。メキシコ産の馬肉は、アメリカの政府機関であるFDAの厳しい衛生基準をクリアしたうえで、輸出の際には健康証明書が発行されるなど、国産と遜色のない管理がされています。
※「馬刺しの達人」ではメキシコ産馬刺しは取り扱っておりません。
通好みから万人へ
以前までは限られた地域で好まれてきた馬肉ですが、ヘルシーでありながらおいしく、栄養価も高いことが知られ、最近では一般のスーパーでも売られるようになってきました。
「馬刺しの達人」では、新鮮な「さばきたて」の馬刺しをご提供しています。まだ食したことがない方は、ぜひ一度、馬肉を堪能してください。