数ある肉料理の中で、食通に人気なのが馬肉です。上品な味わいで、刺身にしても炙りにしても最高。低カロリーで高タンパクなことから、ダイエットにもよく、 鉄分も豊富なため、貧血気味の方にも最適。とても美容によくヘルシーなお肉です。
今回は、そんな馬刺しがいつから食されるようになったのか?熊本や福島との関係は?など、馬刺しの歴史についてのあれこれをお伝えいたします。
馬肉・馬刺しの歴史
もともと日本に馬は存在せず、弥生時代末期ごろに大陸から連れてこられたのではないかと考えられています。早く走る能力や持久力が着目され、移動の手段や農耕などに利用されるようになりました。
675年に天武天皇によって牛・馬・ニホンザル・ニワトリ・犬を食べることを禁ずる「肉食禁止令」が出されました。当時は食糧事情も悪く、動物の肉は貴重なタンパク源です。この令により、2000年以上前には、すでに馬の肉を食していたことが分かります。
庶民が馬肉を食べ始めたのは江戸時代ごろからといわれています。食料としてだけでなく、滋養と強壮によい「薬膳料理」として扱われていました。また民間療法として湿布のように火傷に貼ると、患部を冷やす役割も果たします。身体を冷やしてしまうことから、「妊婦が食べてはいけないもの」などといわれていますが、実際のところは「リステリア菌とトキソプラズマに感染する可能性が高いためだそうです。
熊本と馬肉の関係
全国的に見ると馬肉は、牛・豚・鶏のように一般的な食材ではなく、局地的に人気が集中しており、とくに熊本の名産品として有名です。
熊本で馬肉が食べられるようになったのは、今から400年前の朝鮮遠征が契機といわれています。
現地で食糧難に陥った肥後熊本初代藩主「加藤清正」とその一行は、空腹に耐えきれず軍馬を食料にしたといいます。やむを得ず口にした馬肉の味は、意外なほど美味でした。そのため帰国後も馬の肉を食すことを続け、それが県下に広がって行ったといわれています。
平成27年度の農林水産省の調査では、馬肉の生産量は熊本県(2,316トン)が一位。生産量だけではなく消費量も全国一位。名実ともに、「馬刺しといえば熊本」ですね。
福島と馬肉の関係
熊本に次いで馬肉の生産量が多いのが福島県です。
福島県の会津地方では馬刺しがよく食べられています。江戸時代ごろより、新しい食材として馬肉が注目され、幕末の戊辰戦争で負傷した兵士に栄養をつけるために、肉を食べさせたのが起源といわれています。サシが入った熊本の馬刺しと異なり、赤身が主流でカラシ味噌をつけて食べるのが特徴です。
この独特な食べ方には都市伝説があるのです。昭和30年代に、当時の人気レスラー「力道山」が会津に興行に来た時に、精肉店に吊るしてあった馬肉に持参のカラシ味噌をつけて食べたのが始まりといわれています。力道山が入ったという精肉店「肉の庄治郎」が公式に発表しているのですから、事実なのでしょう。ちなみに同じ福島県でも、会津地方以外はあまり馬肉を食べません。
全国区となりつつある馬刺し人気
少し前までは、熊本や福島など、局地的に食べられていた馬刺し。まだまだ、牛肉や豚肉のように、全国どこでもスーパーなどで手に入るわけではありませんが、最近ではお取り寄せによっていつでも本場の味を食べたいときに食べることができるようになりました。
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